昭和51年1月23日、第77回通常国会が再開された。衆院内閣委員長には坂村吉正氏(群馬)が就任し、前委員長の藤尾正行氏は、筆頭理事として引続き内閣委員会にとどまった。2月3日、藤尾正行氏は、日本遺族会の佐藤専務理事に「靖國神社問題に、一応の決着をつけるべき責任を痛感しており、この国会で、できれば、何とか実質的な前進をはかりたい」とのべ、前国会の方針が踏襲されることがうかがわれた。
しかし、2月5日、突如としてロッキード汚職問題が発生し、わが国は、空前の混迷に巻き込まれてしまった。自民党は、まさに結党以来の危機に直面するに至った。
戦後三十年を契機として、すべての面にわたって出直し的改革がとなえられてきたが、政治の基本姿勢こそ、最もきびしく問われている。
靖國神社法案をめぐる多年の経緯の中で、とくに自民党の政治姿勢に対する警告は、幾度も発せられてきた。しかし、結果的には、いつも、それは裏切られ、耳も傾けられずに来たのであった。いま、靖國神社法の国会提出どころか、靖國神社問題について話題にも出来ないような政治情勢に、自民党は追い込められている。果して誰の責任というべきか。
日本遺族会、「靖國協」では、基本態度に基づいて、「新国民組織」の結成に着手した。
「新国民組織」結成の目的について「結成試案」は次の如く説明した。
「靖國協」では世話人会を設け、新国民組織の結成について、真剣な検討を進めた。そして、会の名称は「英霊にこたえる会」と内定し、次のような結成趣意書をまとめた。
戦後30余年、わが国の平和と繁栄は250万英霊の尊いいしずえのうえに築かれていることを、われわれ国民は決して忘れてはなりません。
しかし、この繁栄も“魂なき繁栄”といわれ、いまや、政治、経済、外交、教育などのあらゆる面において、重大な転換期た直面しております。
わが国の存立のため、身をもって難局に殉じた幾多同胞の尊い献身と犠牲に対し、敬意と感謝の誠を尽くすことは、国および国民として当然のつとめであります。同時に平和のいしずえとなった英霊のかけがえのない生命の重さを銘記し、その遺志にこたえることは、現代に生きるすべての世代の重大な責任であります。
それは、あくまで、わが国の自由と平和を守り技こうとする日本国民の決意の基盤をなし、また、今世紀に二度まで世界大戦の悲劇を体験した人類の悲願にちながるものであります。
世界いずれの国においても、戦没者に対する慰霊と顕彰が国の最高儀礼をもって行われ、さらに国際的儀礼とされているのは決して偶然ではありません。
しかるに、戦後、わが国においては、戦没者に対する慰霊、さらには英霊をまつる靖国神社のあり方をめぐって久しく不毛な対立と抗争をくり返していることは誠に遺憾であり、ここに民族にとって最大の不幸が存するというべきであります。
靖国の英霊に対し、国の名において、最もふさわしい儀礼を尽くすことは極めて当然のことであり、国民多数の真情に合致するところであります。
靖国神社問題が政争の具とされたり、また、軍国主義の復活等と結びつけて論議されること自体、全く本質を逸脱したものといわねはなりません。
英霊に対する国および国民の基本姿勢の確立こそ、今日の急務であり、そのためには最早政治の場のみ(にゆだねることなく、国民一人一人が勇気をもって行動を起すべきときであります。
国民各層の良識を結集し、英霊にこたえる国民的運動を展開し、その総意を反映させるならば、必ず正しい解決がはかられることを確信いたします。
この国民一人一人の自覚と行動こそが戦後風潮を脱却して、民族の魂をよみがえらせ、わが国の基本方向を確立する唯一の道と信ずる次第であります。
ここに、有志相諮り、広く国民の各界各層に対し、「英霊にこたえる会」への参加を呼びかける次第であります。
画像、及び文章の無断転載はご遠慮ください
Copyright ©2009-2011 英霊にこたえる会 All Rights Reserved.