第四十三回「英霊にこたえる会」総会 会長挨拶

第四十三回「英霊にこたえる会」総会 会長挨拶

2017.04.28

  • お知らせ

 本日ここに、第四十三回「英霊にこたえる会」総会を開催するに当り、ご来賓をはじめ都道府県本部並びに中央参加団体代表各位のご列席を賜わり心から厚く御礼申し上げます。
 皆様ご承知のように、昨年は昭和五十一年六月二十二日発足しました本会にとって創立四十周年という節目の年でありましたが、国内外に亘って様々な大きな出来事が相次ぎました。
国際的には、米国大統領選での「トランプ氏の劇的勝利」と英国国民投票で「EU離脱」が過半数を占めたことが想定外の双璧とも言うべきものでしたが、隣国韓国では朴槿恵大統領の「職務停止」と「弾劾審判による罷免」がありました。
 また、国内的には読者が選ぶ日本十大ニュースでは、熊本地震、小池百合子氏の東京都知事当選、リオ五輪史上最多のメダル四十一個、今上陛下のご譲位のご意向示唆等が上位を占めましたが、その中から本会の運動遂行に当り刮目すべきものを私なりに採り上げてみたいと思います。
 その一つは、五月二十六日に伊勢志摩サミットに参加したG7首脳が伊勢神宮を訪問参拝されたことであります。日本以外のサミット参加国の現職首脳が神宮を訪問したことは初めてで日本の精神性や伝統文化の深みを肌で感じて頂いた絶好の機会となりました。次なる機会には是非G7首脳による靖國神社参拝が行われることを期待するものであります。
 次には、オバマ大統領が伊勢志摩サミット出席後、安倍総理同行のもと米国大統領として初めて広島を訪問し、原爆死没者を慰霊し世界の恒久平和を祈念したことであります。これは日本訪問で日米関係の更なる深化を求める大統領のメッセージであり、アジアにおいて日米同盟が平和と安定の基軸であると認識している証左であります。
 安倍総理は、このオバマ大統領の広島訪問に応える形で昨年暮の十二月二十七日にハワイ真珠湾を大統領と共に慰霊訪問をいたしました。
 その際安倍総理は、かって敵同士だった日米両国を結び付けたのは「寛容の心がもたらした『和解の力』だ」と述べ、戦争が絶えない世界に向かって「日米は今こそ寛容の大切さと和解の力を世界に向かって訴え続けていく任務を帯びている」と強調しました。この言葉こそ中国や韓国の指導者や国民に是非耳を傾けてもらいたものです。
 一方、オバマ大統領は、総理の真珠湾訪問を「日米両国の和解と協調の力を示す歴史的な行為」とした上で、「戦争の最も深い傷でさえも、友情と恒久平和に変えられることを思い起こさせる」と評価すると共に、日米同盟強化の重要性を強調し、「内向き」に陥ることに警鐘を鳴らしました。トランプ新大統領には、このことをしっかり認識し、継承していただくことを願うものであります。
 次に、堀江正夫本会名誉会長が長年に亘り心血を注いで取り組んでこられた先の大戦において散華され,未だ外地に眠っておられる戦没者の遺骨を祖国に帰還させる法律が関係各位の真摯なご努力が結実し法案が成立いたしました。昨年八月にはこの事業を担当する「一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会」が尾辻秀久参議院議員を会長として発足し、十一月一日から活動を開始されております。
 戦後七十有余年、異国の地に眠る同胞の遺骨が一体でも多く一日でも早く祖国に帰還できるように事業の成果を期待するものであります。
 最後に、国家の根幹にかかわる重大な事柄について述べておきたいと思います。皆様ご承知のように昨年八月、今上陛下におかせられましては「全身全霊をもって象徴としての務めを果たしていくことが困難になる」とビデオメッセージでお述べになり、ご譲位のご意向を示唆されました。政府は、今上陛下のご意向に速やかに対応すべく有識者会議を立ち上げ専門家等から意見を聴取して議論を重ね、また国会においては与野党挙げての真摯な論議の結果、今次国会で「譲位は一代限り」とした特例法を制定して譲位していただく道が開かれたことは誠に当を得たものと評価するものであります。
 今上陛下はご即位以来、全身全霊をもって憲法に示されている国民統合の象徴としてのお努めを果たしてこられました。特に、戦没者慰霊については特別の思し召しで遺族の方々に大御心を寄せられ、国内外に亘って慰霊の旅を続けられ陛下のご高齢と体力のご低下の中での強行軍には、国民の一人として只々恐懼の至りで感謝の言葉もありません。ご即位以来の天皇・皇后両陛下のご足跡に思いをはせるとき、両陛下のさらなる思し召しは我が国の戦没者慰霊の中心である靖國神社への行幸啓であろうと拝察申し上げるのでありますが、今上陛下のご在位は残念ながら限られた期間となることでありましょう。
 この在位期間中に両陛下の行幸啓をいただくためには、我が国の最高責任者である総理の靖國神社参拝が不可欠であります。
 昨年暮の安倍総理の真珠湾慰霊訪問の際、同行された稲田朋美防衛大臣は帰国後その足で靖國神社に参拝し、英霊に報告されました。
しかし、安倍総理は参拝されず平成二十五年十二月二十六日の参拝以降、三年有余に亘り途絶えたままとなっています。
 今更申すまでもなく、祖国のために殉じられた英霊の御霊に対し敬虔な誠と感謝を表すことは国際常識であり独立主権国家として当然のことであります。また靖国神社参拝は、誇り高き我が国の伝統・文化の象徴としても大切なことであります。安倍総理はじめ各閣僚にはいわれなき他国の干渉にひるむことなく春・秋の例大祭をはじめ、あらゆる機会を捉えて靖國神社へ参拝され、天皇陛下ご親拝の先導者としての任務を果たされることを期待するものであり、本会会員の皆様とともに見守ってまいりたいと思います。
 終わりに臨み、本総会にご臨席を賜りましたご来賓に重ねて御礼を申し上げますとともに、ご列席の皆様さらには全国各地で活躍されておられる会員の皆様の益々のご健勝とご活躍を祈念申し上げ、私の挨拶と致します。

平成二十九年四月二十三日
英霊にこたえる会中央本部
会長 寺島 泰三

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